この本を読んだきっかけ
私は、一応会社では技術者なので、特許を書く機会があります。と言っても、基本的には弁理士さんを通じて行うので、技術者として最低限やらなければならないことは、”自分の発明を弁理士さんにわかりやすく説明する”ことだけです。極端に言えば、特許法や、明細書を書くテクニックについて全く知らなくても”弁理士さんが良きに計らってくれる”ので、最適な権利にするにはどういう明細書にすればよいか…といったことを考える必要がありません。そういう意味ですと、本書を手に取る人は、基本的には弁理士さんを使わずに自力で出願することを考えている方が、メインとなるでしょう。しかし、本書中でも述べられている通り、弁理士さんにお願いするような会社であっても、発明者自身が特許出願の仕組みを心得ているに越したことはないということはあります。
アマゾンの書籍画像からはわかりませんが、本書の帯には以下のようなことが書かれています。
・審査での拒絶理由の90%以上は「非容易性(進歩性)」の欠如
・非容易性につながる新しい効果を発明内容から抽出するテクニックを解説!
審査通過率がぐっと上がる
「技術者のための特許実践講座」帯より
つまり、発明者自身が特許出願について疎いと、以下のようなリスクがあると考えられます。
①本来は特許されるはずの発明だが、特許されない。
②発明者本人には特許される自信がないが、工夫次第で特許となるときに、特許する機会を失う。
私も、やるからには、なるべく突き詰めてみたいなという思いがあり、かといって弁理士試験のように特許法とがっぷり四つで取り組むのも気が引けるので、何か比較的軽い読み物で、と探していたところ、まさに私にぴったりな書籍がありました。いろいろと初めて知れることが多く面白かったです。
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