久々の新調
ビジネス用のフォーマル鞄を新調した。HERZのダレスバッグ・スマートタイプ(BJ-1)だ。これの一つ前に使っていたものが壊れかけて貧相になっていて、ここ1,2年位「買い替えなきゃなぁ」と思っていたのだが、仕事柄あまりフォーマルな鞄を持ち歩く機会が少なく、加えて最近は勉強会の類はほぼすべてZoomのため、これをもって外出することもほぼなくなり、ずっと後回しになっていたのだった。
姑さんから本厄祝い(?)というか、本厄に備えていろいろ準備しなさいよという意味を込めてだと思うがお金をいただいたので、それを資金にしてついに買い替えを実行したのだった。
私のビジネス鞄遍歴
ACEGENEのリュックタイプ
ちなみに、私のビジネス鞄遍歴を簡単にご紹介。最初に買った鞄は初めて社会人となり就職した2007年頃に購入したACEGENEの、リュックタイプの鞄だった。ちょうどそのころ情報システムの開発の仕事をしており、完成図書(厚さ10cm前後のキングジムファイル)を頻繁に持ち歩かなければならず、かつ社外のベンダのところに頻繁に通うためスーツ+フォーマル鞄でなくてはならなかった、この鞄は丈夫なナイロン製で、容積も大きく、かつ両手が空くので重宝した。価格も2万5,000円くらいとお手ごろだった。
型番を忘れてしまった上に、もうとっくにディスコンになっているようなのでどんな鞄であったかイメージがお伝えしにくいが、現行製品で一番似ている製品でいえば、以下のものだと思う。
PATHFINDERのリュックタイプ
しかし、私は大きいモノをパンパンに詰め込んで使う癖があるためか、やがてナイロンは伸びてしわしわになり、また、そのころ自転車通勤をするようになり、汗蒸れによる臭気や、雨に対する防水性が気になり始めていたので、4年後くらいにPATHFINDER製のリュックに切り替えた。これも同様に耐久性の高そうな樹脂生地でできており、価格も1万~2万円くらいと、割とお手ごろの割に、テクスチャもデザイン的におしゃれな印象で気にいってはいたが少し上のおじさんたちから「少しカジュアルすぎないか?」「バイク用の鞄か?」などと茶々を入れられたりした。そのころはまだ、あまりリュックタイプのビジネス鞄をよしとしない空気も多少残っていたと思う。これも、当時と同じ製品はディスコンになっているようなので、イメージとして、一番近いと思われる製品をリンクしておく。
これも、気に入ってはいたものの、2~3年位したころからか加水分解の影響なのか表面が突如もろくなってパリパリとひび割れ出し、見た目も残念になり始めたのでやはりおさらばすることとなってしまった。その後結婚し、妻から「ビジネス鞄くらいしっかりしたものを持っていた方が良い」と、今回の鞄の一つ前の鞄を買ってもらうこととなった。
鞄選定にあたっては、今回はリュックタイプはやめ、手提げタイプにする方針とした。というのも、以前の茶々入れ事件の記憶もあり、また、引っ越して自転車通勤もとっくにやめていたし、なにより自分もそろそろいい年だし、あまり悪目立ちしないようにしようと思った。
サムソナイトのダレスバッグ
2015年頃、銀座の百貨店であれこれ探した結果、サムソナイトのデュモンクスシリーズのダレスバッグに出会った。ダレスバッグは、口をガバっと開いて固定するのが特徴的で、手提げかばん特有のベロ部分の開け閉めの面倒さが解消され便利だと思った。妻はいいものはそれなりに高価という考えの信奉者なので、7万円くらいした鞄だが、買ってもらえた。
こんな高価な鞄を所有するのは初めてだったので、非常に所有欲が満たされ気分が良かったが、デュモンクスの耐久性は意外にも低かった。私の使い方も悪かったかもしれないが、使い始めて半年程度で側面に汚いしわができてしまい、1年程度で、側面の一部が裂け、生地の芯部のボール紙が見える状態となってしまった。生地は結構丈夫で高価なものであると思い込んでいたが、この中身のボール紙を見てしまった瞬間、なんだかハリボテを見せられているような気分となり、急激に所有欲が落ちてしまった。

しかし、なかなか次の鞄に出会えず、また、そもそもビジネスタイプの鞄が必要となる場面も少なくなっていたので、みすぼらしいまま使い続けていた。ただ、裂けめは大きいものであったものの、誰しも他人の鞄をしげしげと眺めたりはしないものなので、たぶん誰からもみすぼらしいとは思われなかったと思う。
ちなみに、使い方についての反省をしておくと、当時2kgくらいある15インチノートPCを頻繁にこの鞄で持ち歩きしていたのが、最も鞄に負担をかけていたと思う。ダレスバッグは、側面が内側に折れ込む分の空白が要求されるため、鞄にちょうど入るくらいの大きさのものを入れてしまうと、折れ目が中身と干渉してきれいにできず、結果汚いしわとなってしまう。変なしわにより開閉時の応力がおかしくなってしまい、裂けに至ったと分析している。百貨店では店員さんに、「ノートパソコンくらいは行けますよ」的なことを言われて決定したこともあったので、安心してしまったが、13インチくらいまでにしておくべきだったかもしれない。いろいろ悪いことばかり書いてしまったが、これで海外出張も行ったし、いろいろ思い出深い鞄ではあった。
そして今回
そして、今年、ダレスバッグ・スマートタイプ(BJ-1)をついに購入に至ったわけだが、実は心の中では「メーカーはHERZにしよう」と決めていた。というのも、デュモンクスと同じく2015年頃、HERZの縦型ランドセル・玉縫い(R-51-A)を購入し、愛用していたからだ。そのころ私は、「これからは、大人用ランドセルが流行る。私が先取りしてランドセルを背負う!」という謎の妄想に取りつかれており、いくつも種類があるHERZランドセルのうちでも、最も小学生が背負いそうなオーソドックスなR-51-Aを選んだのだった。新品でピカピカしていた当初は、いかにもピカピカの小学生が背負うべきものをアラフォーのオジサンが背負っていて珍妙という感じがして、やっちまったか!?と思ったものだったが(実際、朝の通勤時間が少し遅れて、小学生の通学時間帯に重なると、緑のおばさん(死語?)に二度見されることもしばしばであった。)、今はだいぶこなれてきて、小学生感がかなり減ったと思う。でもやっぱりガロンリュックにすればよかったという後悔の念はなくはない。
このランドセルもさほど丁寧に扱ってはいないものの、損傷らしい損傷はほとんどない。(もちろん革特有の細かい傷や変色は味わいとして発生する。)ランドセルと考えると60,000円とは結構な金額のものだが、先ほどのデュモンクスのことを考えると、今にして考えると耐久性と合わせて考えて大変コスパがいいと考えるべきだろうと思った。私は、「一生モノ」というキャッチフレーズにすこぶる弱いのだ。この丈夫さが、今回の鞄選定に至ったきっかけだ。
さて、ダレスバッグ・スマートタイプ(BJ-1)だが、やはり本革は良い。肉厚の皮なので簡単にしわになりそうもないし、ステッチも丈夫なのですぐに避けることもなさそうだ。スマートタイプという名前であったので、サイズ感が少し気になったが、前のデュモンクスよりはむしろ一回りほど大きい。重量もやはりデュモンクスよりずっしり感を感じるが、丈夫さを考えれば仕方ないだろう。むしろ私は、鞄はあえて少々重めを選んで、ささやかなウェイトトレーニングを日常に紛れ込ませる…という考えの持ち主なので、ストレスにならない程度の重量感ならば、むしろ歓迎である。

新品のダレスバッグ・スマートタイプ(BJ-1)と6年ほどたったHERZの縦型ランドセル・玉縫い(R-51-A)を並べてみると、色が全く違っており、もとは両方同じだったのかなぁと思いを馳せることも楽しい。毎日ちょっとずつ気づかない程度に変色し、数年かけて大きな差ができるのだろう。(といっても、やはり雨に打たれたりすると顕著に色が変わる。また、アルコールに触れるともはや修復困難なほどのシミができる。)
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