クローズアップ現代+ 徹底ルポ “トランプのアメリカ”でいま何が
このところ、日経平均株価がものすごい勢いで上昇しています。ちょっと前まで、2万円まであと少し…なんて言っていたのが何だったのか、というほどすごいスピードです。私は、いわゆるバブル景気と言われる時代はまだ小学生だったので、そのころの好景気感というのは全く実感がありませんが(ジュリアナ東京だとか、お立ち台のような、メディアが面白おかしく取り上げた時事ワード的なモノばかりが、脳にこびりついていますが…(笑))、いまや、社会人として金を稼ぎ、多少なりとも株式投資をしている身としては、このところの株価上昇は、「もしかして、バブル景気ってこんな気分になったのかな?」というような気持ちを少し感じています。しかし一方、小心者でもありますので、根拠もなくお金が増えるはずがない、何か裏付けがないと安心ができない。という気持ちもあります。日経平均株価は、少なくとも、私が株式市場というものに興味を持ち始めるころには、すでに「ほとんど米国の株式市場に連動している」という印象を抱き、ずっとその通りになっています。つまり、現在の日経平均株価の上昇は、明らかに米国の株式市場に連動しているもので、逆に言うと、米国の市場で下落すれば、日本もそうなることになります。では、なぜ、米国市場は今、上昇しているのでしょうか?
トランプ政権は、大統領の過激発言にもかかわらず、40%の高支持率を維持し続けており、これは、景気回復に対する期待感がそうさせているそうです。実際、ケンタッキー州のある石炭炭鉱は、にわかに活況となり、ある男性は、急に仕事が入り込み、車を2台も所有できるまでになったそうです。彼曰く「トランプ大統領は、メディアが報じるほど悪い人間でなく、ただ素直で正直なだけ。彼の足を引っ張るばかりでなく、きちんと仕事をさせてあげてほしい。」というようなことを言っています。一方、オハイオ州の鉄鋼工場付近は、鉄鋼需要は全く回復していませんが、それでも住民はトランプ氏を支持しているといいます。NHKの編集もあるかもしれませんが、彼ら白人貧困層が、トランプ氏を支持する口調には、盲信的というか、狂宗信者のような怖さが見て取れますが、一方で、少なくとも、今までとは何か違う、変革の兆しのようなものを「具体的に形」にしているのは確かであり、それが支持率という具体的な数値として表れてきているということでしょう。
しかし、ある自転車工場のように、ヒスパニック系労働者から、白人労働者に切り替えた途端、薬物陽性反応や、遅刻や退職などで、労働者をうまく確保できないという事態に直面している例もあります。結局、アメリカで雇用を確保しようとすると、アジアやメキシコなどの安い労働力確保案、あるいは、オートメーションによるコストダウン案と真っ向から勝負しなければならず、そもそも、非常に難しいということがあります。この工場のオーナーは、完全にトランプ氏にはしごを外された形になり、とても怒っていました。
というように、トランプ政権による景気回復策は、まだ期待先行と言わざるを得ないところが多いでしょう。(先述の、石炭炭鉱の雇用確保も、地球環境保護というグローバルな課題への取り組みを反故にしたことによって生まれたものであり、諸手を上げて喜べる状況ではないでしょう。)。
個人的願望としては、この好景気ムードで、せめて東京オリ・パラまでは迎えられたら良いのに…と思いますが、先行きはいったいどうなるのでしょうか?
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