ブラタモリ #89 洞爺湖~なぜ“世界の洞爺湖”になった?~
洞爺湖。私は、小学~高校期を北海道で過ごしたので、何度か行ったことがあります。特に中学校の時は、昭和新山を見学し、お風呂の遊園地でおなじみのサンパレスに宿泊したのを覚えています。北海道は、結局、かれこれ12年ほど住んでいたことになりますが、いわゆる本州の方が思い描くような、いかにも北海道!っといった観光地やリゾートの類に連れて行ってもらえた記憶が少なかったので(長期連休はもっぱら、おばあちゃんの家!)、ウォータースライダーがある、巨大浴場、露天風呂からはロングラン花火大会という豪華絢爛な人工物に圧倒された記憶があります。ただ、大人になった今は、洞爺湖の魅力の本質は、圧倒的な自然にあるのだろうなーということを、改めて感じました。
さて、洞爺湖。東京ドーム1500個分の広さで、年間300万人が訪れるそうです。ユネスコの世界ジオパークにも選ばれるなど、今や世界の洞爺湖と言っても過言ではないそうです。
そんな、世界の洞爺湖になったきっかけは、単にサミット会場になったからというだけではないようです。そもそも洞爺湖ができたのは、11万年前に、火山でできた陥没に雨水などが溜まったのが始まりだそうです。さらに5万年前に起きた噴火で、複雑で魅力のある中島の風景を作ったそうです。1913年までは、人も住まない土地でしたが、1910年の噴火で、温泉が湧き、急に温泉街として発達したという、100年やそこらしか歴史がない、新しい温泉街なのだそうです。その後も30年おきに噴火を繰り返しては、周辺住民に被害をもたらすこともあったようですが、2000年の噴火では、ほぼ完全に予知し、噴火点が700mと非常に近かったにもかかわらず、けが人を出さずに1万人の避難を成功させたそうです。感動的ですね。
昭和新山は、中学生ながらにも、赤い山肌がむき出しで、常時水蒸気を発し、すごく荒々しい山だなと感じましたが、実は、もともと民家の麦畑だったということに驚きました。この山の成長過程は、当時の地元の郵便局長が、モノがない戦時中ながら、精度の高い測量方法で2年間にわたりプロットし続けたおかげで、世界的にも貴重な科学資料となり、洞爺湖が世界の洞爺湖になるために一役買ったそうです。郵便局長は、その土地を買ったため、昭和新山は核心部はいまだに民間の土地で、今のオーナーは、その郵便局長の子孫なのだそうです。
そのほかにも、2000年当時の噴火の跡を、いたるところに保存しています。もともと下り坂だった道路が隆起して上り坂のようになった箇所があります。そんな風景があると、ちょっとぎょっとしますね。しかし、このアスファルトが侵食を防ぎ、断層崖の保存に効果的なのだそうです。面白いですね。
有珠山の噴火は、ちょうど私が大学に通うために、北海道を離れて、上京したころだったので、とても思い出深いです。あれから、17年。もう一度行ってみたいなーという気持ちが湧いています。
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