わかっていてもやはり難しい…。

オイコノミア「経済学で“やり直す”には?」

ゲストは、コリン星人から一転してシングルマザーになったゆうこりん。同じくシングルマザーで人生の立て直しに苦労した一般女性と、最初にブラック企業に勤めてしまい、不安から3回ほど転職を繰り返した男性、同じく極端な過労働で疲弊し、電車に飛び込みそうになった女性デザイナーらで、人生を立て直すことの難しさについて語る回でした。

まず最初は、サンクコストによるバイアスについて。7万円の北海道旅行と、5万円の沖縄旅行があり、日程が重なってしまっていることに気づかず、両方購入してしまった場合、どちらに行くのが良いか(本人は沖縄に行きたい)?という問題に対し、出演者の意見が分かれます。正解は、この場合、12万円はすでに払ってしまって取り戻せないコスト(サンクコスト)なので、純粋に行きたいほうの沖縄に行けばよいのですが、北海道の方が価値が高くもったいない…というバイアスが働いてしまい、北海道を選んでしまう、というようなことが起こりやすいそうです。

つぎは現在バイアス。今日やると1時間のゴミ拾いを、1週間後にやると1時間3分かかる。どちらが良いか?という問題に対しても、今日か1週間後で意見が分かれます。しかし、出題を変え、90日後と、97日後に変えると、全員が、前者を選びました。つまり、人は、直近やらなければならないことに対しては、コストを過剰に見積もってしまう性質(現在バイアス)があり、ついつい、やるべきことを後回しにしてしまうというのです。

人間だれしも、直近やらなければならないことに追いつめられると、視野狭窄に陥って、長期的に得するような合理的な判断ができなくなってしまうそうです。世間体を気にして、我慢しながら冷えた結婚生活をするよりも、いっそ離婚したほうがいい。追いつめられて自殺を図るぐらいなら、いっそ仕事なんてやめてしまえばいい。一方で、思い切って脱サラしたけれども、生活が苦しくなってしまった人もいる。結局、経済学を知っているからと言って、最善の選択ができるようになるとは限らないけれど、人間には得てしてそういうバイアスにとらわれて行動してしまう生き物だよということを知っていることは、どうやら重要であるようです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました