コーヒーメーカーを替えた話

もう1年以上前の話になるが、4年位使っていたコーヒーメーカーを新しい物に替えたときの話を書く。

以前は豆と水を投入すると、豆を砕き、抽出してコーヒーを作る、いわゆる全自動式のコーヒーメーカーであったのに対し、新しく買ったのは、豆を砕く部分のみが行える、いわゆるコーヒーミル。コーヒーメーカーの方が全自動という意味では楽であり、このチェンジはある意味退化かもしれない。しかし、私はいろいろ考えてこの選択をした。以前使っていたコーヒーメーカーのレビューを交えて、ここに至った過程を説明したい。

シロカ 全自動コーヒーメーカーSC-A211

以前使っていたコーヒーメーカーは以下のもの。

 全自動コーヒーメーカーは2~3万円からというのが相場のなか、1万円をきるということで当時としてはかなり安価だった。といっても、厳密には私はクレジットカードのポイント景品としてゲットしたので、自腹で買ってはいない。4年間ほど使い続け、数百杯のコーヒーを飲んだので、コーヒー一杯をお店で飲むと400円くらい、家で作ったときの原価が30円くらいと試算しても、十分元を取ったくらいは使ったかと思うが、買って良かったこと、良くなかったことなどを感想として残してみたい。

金属フィルターでお店の味に

 このコーヒーメーカーを使うまで、恥ずかしながら、私は金属フィルターの概念を知らなかった。レギュラーコーヒーというものは、粉をペーパーにのせてドリップする…という方法一択だと思っていた。ほかにもネルドリップやプレス抽出などがあることをのちに知ったが、とにかくこのドリップの部分が味に大きく影響を与えることを全く知らなかった

 スタバなどで飲むコーヒーは自分の淹れたコーヒーと味が違うなとはうすうす思ってはいた。しかし、その違いがどこから生まれるのかわからなかった。そもそも、豆が違うのか、粉でなく豆から挽いた方が良いのか…など。いろいろ試行錯誤したが、お店のような味にはならなかった。

 このコーヒーメーカーに替えたとき、初めて「あ、お店の味に近い…」と思った。そういえばお店で飲むコーヒーは、よーく見ると底の方に少しだけ粉が残っていることを思い出した。また、淹れてもらった直後のコーヒーは表面にうっすらオイルが浮かんでいた…。ペーパードリップをしているときはいくらやってもこのようなことが起こらないので、何が違うんだろうとずっと不思議に思っていた。

 このコーヒーメーカーは金属フィルタなので、淹れたコーヒーは底にうっすらと粉が残りオイルが浮かんでいる。これは私の感想だが、ペーパーは良く言えば、成分をきれいに漉しとった、澄み切ったクセのない味。悪く言えば、単調な味になりやすい。逆に金属フィルターは、多少雑味やエグみがでるが、多様性が増して面白い味になる。同じ豆でも、フィルターの違いでかなり違った印象なるのは、興味深いところだと思った。

 このコーヒーメーカーを買わなければ、こういった気づきは一生なかったかもしれないので、買って良かった!と思えた最大のポイントはそこだった。

ポットがなくても淹れられる

 もっとも、コーヒーメーカーは全般そうかもしれないが、必要量の水を入れてスイッチを入れると、自動的に沸かしてくれて、最後にはコーヒーになっていく。やかんに水を入れて沸かしたりする必要がないし、コーヒーに入れるためにちょっとこだわりのミネラルウォーターで淹れたい…といった使い方では便利かもしれない。また、ドリップ専用のくちばし(?)が長いポットがなくても、良いのも利点かもしれない。

ちょっと洗うのがめんどくさい

 最初のうちはおいしいコーヒーが飲めるようになってご機嫌な気分だったが、そのうちあることに気づいてしまった。洗うのが超めんどくさい

 このコーヒーメーカーは、コーヒー豆を装填する部分が、内蔵ユニットのような別構造になっており、その中にさらに金属フィルターが装填されている構造となっている。基本的には、コーヒーを一回入れるたびに、このユニットを取り外して粉をすべて取り除き、洗剤で洗わないと次の一杯が飲めないという仕組みだ

 洗浄は、慣れると上手になってくるが、使用済みの粉で水場を汚さないように気を付けたり、フィルタに挟まった粉を歯ブラシでとったり、オイルのぬめりが取れるまでゴシゴシやると、どんなに手際が良くても3~5分くらいかかる。私のように一日コーヒーを3~5杯くらい飲むような人には、この手間は意外とストレスになる。

 もう一杯飲みたいなと思いつつ、もう一回あらうのか…めんどくさい…と思って次の一杯を躊躇したことは何度となくある。ある時、会社の同僚とコーヒーの話になったとき、彼もまったく同じ機種を買ったが、洗うのがめんどくさくて速攻でやめたと言っていた(そんな彼はいまやインスタント派)。この工程が面倒なのは、私だけではないんだと、妙に安心したのを覚えている。

あまり細かく分解できない

 昔、がっちりマンデーかなんかで、英ダイソン社の社長が出演していて「掃除機の中を分解掃除するのは日本人くらいだ」と、日本向け掃除機に特別に分解機能を付けたエピソードを話していたが、日本の家電は、中を清掃するために分解できる機能があるものが多い。

 特に、食品系の家電は、口に入れるものを扱うので、分解機能があるとうれしいが、本製品は先述のユニット部分が外せるが、それ以上は分解ができない。具体的には、上部の湯沸かし時に蒸気を逃がす排気部があり、その中は水が通るので、汚れたりカビたりしていないか気になるが、がっちり篏合されていて、分解して中を洗うことができない。また、抽出されたコーヒー液が通り抜けるゴムパッキン部も、一番汚れがたまるところであるにもかかわらず若干掃除がしづらい。(無理にやろうとして一度壊しかけた。)

 私は、シロカ製品としては、製パン機も持っているが、こちらも分解はあまりできない。おそらく分解機能を付けると、製造の複雑さや、強度の問題から設計が難しくなるのだろうが、欲しいといえばほしいという気がします。ローコーストをとるか?清潔をとるか?という選択になります

毎回金属フィルタでなくてもよい

 また、最初は金属フィルタのコーヒーのガツンと来る味に満足して飲み続けたのだが、あることに気づいた。味が濃すぎる。

 一日何杯も金属フィルターで飲むと、若干飽きが来るというのと、ちょっとカフェインが強すぎてフラフラしてくることがあったりした。そんな感じで、時々はペーパードリップでも飲みたいな…と思うのだが、この製品はペーパーを装填する場所がなく(普通はそうだと思いますが)別途、ドリップする工程が必要となる。その場合、豆を挽く機械としては使えるのかもしれませんが、お湯から沸かして全自動…というメリットが半減どころか66%くらい減ってしまう。

意外と邪魔になる

 本製品は、全自動コーヒーメーカーとしては圧倒的なコンパクトさだが、やはり、それなりの大きさがある。少なくとも、一般的な粉だけに対応したコーヒーメーカーよりは一回り大きい感じだ。そのうち私の中にこのような考えが浮かんできた。ハンドドリップでいいんじゃない?

 これは私の感覚の問題かもしれないが、さすがに豆を手で挽くのはしんどいのであまりやりたくにしても、ハンドドリップを行うことはあまり苦にならない。むしろ、その一見無駄にも見える空白の時間が癒しになるとすら考えている。乾いた粉を始めてお湯に浸して蒸らすときに漂うアロマは何とも言えない良い香りで、コーヒーの味というより、そのアロマのためにコーヒーを飲んでいるといっても、あながち間違いではないと思う。

 よって、ハンドドリップが苦にならないならば、ドリップ用ポットとグラインダーがあればよく、さらに、普通の湯沸かしポット(象印の)にドリップ機能がついていれば、(もちろんこだわり派の方にとっては、ドリップ機能とはいえ落ちが速すぎるかもしれない。)単にグラインダーがあればよいだけなのではないかと思い至った。

 グラインダーとしては以下の機種を購入しました。聞いたこともないような中国製の安価な機種と思う。これについては、また別途感想を書いてみようと思う。

楽しいテレワークライフに…

  コロナ禍がまだまだ続く昨今、在宅勤務を引き続き続けている方も多いと思う。在宅勤務の良いところの一つは、「自分の家にあるいろいろなコーヒーを好きなように使える」ところだと思う。会社だと、嗜好品の類は、せいぜい自分のデスク周辺にしか置くことができず、あんまり凝りすぎると「この人何しに会社に来ているの?」という冷たい視線が刺さりそうで怖いのだが、在宅なら、自分の部屋のコーヒー置き場を心置きなく使える。常に4種の豆を用意し、味変自在で、とても幸せな気分になる。

リフレッシュした気分で、結果、仕事のパフォーマンスも上がれば…文句もないよ…ね?

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